弘法大師画像

伊王野の真言宗正福寺に伝わる画像である。真言宗では、宗祖弘法大師の恩を感謝し、その恩に報いるため御影(弘法大師の肖像)を掲げ法要する慣わしが古くからあり、この画像はそのためのものである。画の天地(上下)は65㎝、左右は39.6㎝ある。絹本の軸装で天地158.0㎝、左右53.0㎝である。

時代は明らかではないが、鎌倉から法町期にかけて描かれたものと推定されている。

椅子に座る形式で、右手に五鈷杵を持って胸にあて、左手には数珠を持って膝上においている。姿勢はやや右を向いている床の左には水瓶、前に木履がおいてある。いくつかある御影の中でもこの形式は一般的なもので、弘法大師の晩年、弟子の真如新王が、写したといわれている。

この肖像はきわめてこまかに描かれていて、格調高い雰囲気をかもしだしている。色調は全体に暗褐色で落ち着いているが、椅子の数カ所に金泥を使用するなど豪華な一面もある。

この画像を所有する正福寺は、元来は聖福寺と称していた。寺伝では徳一法師の開基により、弘仁4年(813)草創といい、また承和11年(844)とも伝えられ、当町内最古の寺といえる。始め徳一法師により釈迦堂山に草創されたが、現在は三転して伊王野城跡の麓(伊王野小学校裏手)にある。

同寺には、この「弘法大師画像」の他、「応永六年銘熊野社鰐口」、「五大力菩薩画像」等がある。

名   称 弘法大師画像
所 在 地 那須町大字伊王野2003(正福寺)
種   別 有形文化財/絵画
指   定
指定年月日 平成3年12月19日