八幡のミネザクラ(やはたのミネザクラ)

ミネザクラは、本州中部以北と北海道の山地・高原・高山帯に多くみられる桜で、栃木県でも1000m以上の山地にみられ、タカネザクラともいう。花期は、5月から7月までで、桜のなかではいちばん遅咲きである。花は、赤茶色の若葉と同時に開き、場所といい季節といい、時ならぬ花見のできる珍しい種類である。

八幡のミネザクラは、八幡温泉の北西、標高1000mほどの位置で、自然研究路沿いにある。樹木は2本あり、「上の木」は、樹高9m、目通り周囲1.6mあり、「下の木」は、樹高8m、目通り周囲1.8mである。2本とも直径が50㎝以上と見られ、推定樹齢は約150年である。普通、亜高山植物のミネザクラは、風当たりの強い土地にあり成長しにくく、幹の太さは直径20㎝以下が多く、木の高さも2m内外のものが多いという。八幡のミネザクラは、この樹種としては素直な伸び方をし、稀にみる巨木である。

茶臼岳を中心として那須の山々一帯は、植物の図鑑を見るように種類が豊富である。季節風や位置の関係から、北方系と南方系、表日本型と裏日本型の植物が混生している。

名   称 八幡のミネザクラ(やはたのミネザクラ)
所 在 地 那須町大字湯本(八幡崎県有地)
種   別 記念物/天然記念物
指   定
指定年月日 昭和41年8月30日