上田弥生式遺跡(かみだやよいしきいせき)

この遺跡は、旧富岡小学校南側の道路を隔てたところにある。標高は300mあり穏やかな斜面約10aの範囲に遺物が発見されている。主な遺物は剥片(はくへん)石器、凹(くぼみ)石・縄文土器片と弥生土器片などがあって、縄文と弥生の重複遺跡である。

この遺跡を町の指定史跡とした理由は、発見された弥生土器片は10数片にすぎないが、それらの土器が弥生土器特有の微小縄文(びしょうじょうもん)や特殊な縄文磨消(じょうもんすりけし)が施され、比較的薄手で焼き上げられていたからである。また、土器片の一つの表面には米の籾(もみ)の痕跡がみられたからである。このことは、この地周辺において稲作が行われていたことの証明であり、水稲栽培の始まりを示す重要な遺跡遺物である。

名   称 上田弥生式遺跡(かみだやよいしきいせき)
所 在 地 那須町大字富岡624
種   別 記念物/史跡
指   定
指定年月日 昭和37年10月15日