伊王野城址の樹林(いおうのじょうしのじゅりん)

伊王野城址は、那須七騎の一つである伊王野氏の山城跡である。伊王野氏が、居館を現伊王野小学校の地からその後背地であるこの地に移したのは、文明20年(1487)頃13代資清(すけきよ)の代と言われており、それから江戸時代初期の寛永4年(1627)22代資友(すけとも)まで約150年間、ここが伊王野氏の山城であった。この山城は、全体で約20haに及び広大である。現在、本丸跡・二の丸跡・三の丸跡、そして空堀(からぼり)等も縦横にみられ、自然の地形を巧みに利用しているのがわかる。また、トビノクラ(遠見の 郭(くるわ)の意)や召人沢(めしうどさわ)等の地名も残っており、伊王野氏の歴史や山城を考察する上で重要である。

この城址の南東斜面の約1haにわたって、約20本のケヤキの大木(樹高約20~25m、目通り周囲90㎝)を中心に、ヤブツバキ・クヌギ・コナラ・イロハカエデ・オオモミジ・カスミザクラ・ホオノキ・エノキ・クリ・イイギリ・ケンポナシ・エドヒガシ・シラカシ・アカガシ・イチョウ等が群生し、県北の一つの樹林のモデルとして指定されている。

山上に立つと那須連山と八溝山系が遠望でき、眼下には伊王野の町並みが一望できる。山上に至るつづら折りの道には、春になるとツバキやサクラ・ツツジの花が咲きほこり、秋には、モミジやイチョウの紅葉が美しく伊王野の人々の憩いの場所となっている。

名   称 伊王野城址の樹林(いおうのじょうしのじゅりん)
所 在 地 那須町大字伊王野1970他
種   別 記念物/天然記念物
指   定
指定年月日 昭和51年6月11日