薬師如来立像付十二神将(やくしにょらいりゅうぞうつけたりじゅうにしんしょう)

伊王野正慶寺(いおうのしょうけいじ)付属の沼野原(ぬまのはら)薬師堂の本尊が、薬師如来立像で、十二神将はその眷族(けんぞく)として祭られている。正慶寺は、山号を龍沢山(りゅうたくざん)と称し、曹洞宗で本尊は観音菩薩を安置してある。寺の伝えによると、貞享(じょうきょう)3年(1686)洞孫(どうそん)和尚によって開かれたと言われている。

薬師堂は、古くは熊野堂(くまのどう)と称する伊王野の郊外にあったが、寛政9年(1797)5月に現在の地に移転された。

薬師如来立像は、一木造(いちぼくつく)りで彩色が施されて、円形の台座は高さが、12.12㎝、直径が19.07㎝である。像の高さは、56.07㎝、肩幅は19.09㎝で裾の広さも肩幅と同じ大きさである。

背面には

嘉吉三年  大旦那教善  敬白

葵亥八月日  薬師如来

と墨で書かれてある。このことから、薬師如来像は嘉吉3年(1443)の作であることがわかる。大旦那教善(きょうぜん)の人物については、わからないが、伊王野氏関係の入道名ではないかと考えられる。

十二神将像は、小さいながらも寄木(よせぎ)造りであり、象の高は28㎝内外でどれにも彩色が施されている。

薬師如来立像・十二神将ともに、地方仏師の作ではあるが、本尊とその眷族共に揃っていて、当地域の人々の信仰厚い尊像であったことをうかがい知る事ができる。また、この尊像は県内でも室町時代の貴重な遺品の一つとなっている。

なお、現在の薬師堂は昭和52年8月に火災にあって、その後再建されたものである。

名   称 薬師如来立像付十二神将(やくしにょらいりゅうぞうつけたりじゅうにしんしょう)
所 在 地 那須町大字伊王野1256
種   別 有形文化財/彫刻
指   定
指定年月日 昭和47年7月15日